竪穴住宅と住居の違いとは?なぜ古代人は地面を掘ったのか真相解明
「竪穴住居は古代のもの」というイメージが定着していますが、歴史の実態を詳細に追うと、驚くほど長期間にわたって日本人の暮らしを支え続けていたことが分かります。
畿内を中心とする西日本や都市部では、平安時代から鎌倉時代にかけて、地面の上に礎石を置き床を張る「平地住居(へいちじゅうきょ)」への移行が進みました。しかし、寒冷な気候が続く東日本や東北地方では、平安時代末期から中世(鎌倉・室町期)に至るまで、竪穴住居が庶民の一般的な住宅として機能していました。
さらに北海道のオホーツク文化圏や擦文(さつもん)文化、千島列島などに暮らした北方民族においては、近世の江戸時代、一部地域では明治時代初期まで「トイチセ(土の家)」と呼ばれる竪穴系住居が実生活で利用されていた記録が残っています。木材の加工技術や建築技術が未発達な庶民階層にとって、大地の保温力を借りる竪穴の仕組みは、暖房燃料を節約しながら厳冬期を生き抜くための最も経済的で信頼性の高い選択肢だったのです。