トレスタ白山は閉館した?現在の営業状況とスケート・温泉の真相を徹底調査
地域に深く根付いていた人気施設が、なぜ存続を断念せざるを得なかったのか。その歴史と財務・設備の構造を丹念に紐解くと、民間企業1社では到底背負いきれない巨額の維持管理コストと、複合的な環境激変が浮き彫りになります。
トレスタ白山は元々、国の年金積立金還元施設である香川厚生年金健康福祉センター「サンピアさぬき」として1980年代後半に開設されました。公的施設整理に伴い、2000年代後半に地元企業グループへ民間譲渡され、リゾートホテル「トレスタ白山」として再出発を切った経緯があります。公設民営の歴史を持つ施設が直面したトレスタ白山の閉館理由には、主に以下の4つの決定打が存在しました。
第一に、冷凍設備とリンク基盤の老朽化です。国際基準規格を備えた屋内リンクの冷却装置には旧来の冷媒が使われており、オゾン層保護や地球温暖化対策に伴う法規制によって機器の全面刷新が迫られていました。この冷凍プラントの改修だけで概算3億〜5億円規模の設備投資が必要と試算され、民間の採算ラインを大きく逸脱していました。
第二に、世界的なエネルギーコストの急騰です。氷を張り続けるための膨大な電力、日帰り温泉や客室の給湯に用いる重油・ガス代の価格が2021年以降に倍増しました。月間の光熱費負担が数百万円単位で跳ね上がったことは、収支を著しく悪化させる要因となりました。
第三に、感染症パンデミックによる需要消失です。三木町や高松市近郊の冠婚葬祭、企業研修、学校行事、スポーツ合宿などの団体宿泊・宴会需要が長期にわたって激減しました。個人客のランチバイキングや日帰り温泉だけでは固定費を賄いきれず、経営体力を急激に奪っていきました。
第四に、公的支援の限界と譲渡先難航です。存続を求めるスケート連盟や地元住民から数万筆の署名が集まり、自治体や商工関係者との協議も重ねられましたが、年間数千万円に上る赤字補填と巨額改修を公金で賄うことへの納税者の合意形成は極めて困難でした。結果として新たな引き受け企業も見つからず、惜しまれつつも完全撤退という決断に至ったのです。