未知の病原体から社会を守る「陰圧室」の仕組みと陽圧室の違い

未知の病原体から社会を守る「陰圧室」の仕組みと陽圧室の違いの見逃せないポイントをわかりやすく整理しました。

2026年に策定された最新の医療施設建築・管理ガイドラインは、院内感染リスクの極小化に向けた新たな標準を示している。その中核に位置するのが、陰圧室と陽圧室の明確な機能分離だ。

陰圧室の仕組みは極めてシンプルでありながら堅牢だ。専用の排気ファンを用いて室内の空気を常時強力に吸引し、室外(廊下など)よりも低い気圧(通常-2.5Pa〜-15Pa程度)を維持する。ドアを開けた際にも、空気は必ず「廊下から病室内」へと一方向にのみ流れる。これにより、病室内のウイルスや細菌が院内へ拡散するリスクを物理的に遮断する仕組みだ。

対照的なのが陽圧室である。陽圧室は室内の気圧を外部より高く設定し、外気が室内に侵入するのを防ぐ。無菌状態を保つ必要がある手術室や、骨髄移植を受けた患者、免疫力が著しく低下した白血病患者らを外部の病原体から保護するために運用される。つまり、「病原体を閉じ込める陰圧室」と「病原体を寄せ付けない陽圧室」という、目的において正反対のベクトルを持つ。

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